作った本を本業に役立てたい場合ビジネス型

出版についての仕組みをある程度理解すると、「本当は売りたいのだけれど、自費出版した本を販売するには、思った以上に手間がかかり、収入もあまり期待できそうにない」と考える方は結構いらっしゃいます。確かに、例えば文芸関係の本ですと、書籍販売による収入が全てですが、ノウハウやマニュアルなど実用書的な分野では、出版による書籍販売をメインとして考えず、本業のビジネスや活動における「マーケティングツール」の一つとして考えることができます。ここでは、本の販売による収入を期待するのではなく、本を作ることを本業に役立てる方法をご紹介します。いわゆる、本を作ることを「広報、販促」ととらえるのです。

(例)
・本をビジネスの宣伝広告媒体として使いたい
・ノウハウ、マニュアルを本にまとめたい
・社史を編纂する必要がある

1. 具体的にはどのように出版を本業のビジネスに繋げるのか?

これについては、本業が何かによって変わってきます。ただ、「実用的である」ということは、一つのキーワードだと思われます。常に「出版(本を作ること)」を「マーケティングツールの一つ」として考えておくことにより、いろいろなアイデアが浮かんでくるのではないでしょうか。例えば、フランチャイズ経営を展開している会社の場合、本来であればフランチャイジー向けのノウハウ資料であるものを、少し一般向けに編集制作し書籍にして、コンサルティングや講演の機会に活用することが出来ます。また、様々なビジネスシーンにおける新規顧客開拓の時に、自著を配布することで、自社のビジネス、製品、サービスについて、短時間に効率よく相手に理解してもらうことが出来ます。本をもらった顧客側としても、ちらし類では捨ててしまうことが多いかもしれませんが、本ですとそのままゴミ箱に直行ということは少ないようです。さらに、学習塾や資格教室などでは、もっと直接的に出版物(印刷物)とかかわってくるので、本を作ることは広く行われています。アイデア一つでいろいろな用途が考えられます。

2. 本を書く知識はあっても時間がないがどうにかならないか?

成功しているビジネスの経営者ほど自由に使える時間は少ないのかもしれません。本業に費やすべき時間が、本を書くことに取られてしまっては、本末転倒です。とはいえ、ご自分の知識や経験を文章にすることは多くの発見があることですので、出来ればご自分でお書きになることが望ましいと思われます。ただ、どうしても時間がない場合は、プロのライター等に依頼することも出来ます。本を作ることは、「マーケティングツールの一つ」と割り切って「アウトソーシング」をすると考えてはいかがでしょうか。