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マリンインフォメーション

ボート倶楽部 VOL.1
Boat CLUB 2010 11月号より

できることなら落ちたくない海の中。
でも「もしも」落ちてしまったら救命胴衣(ライフジャケット)着用の有無が生死を分けることになることも少なくない。
ボート倶楽部2010年11月号では、「体験!ウエストベルト型ライフジャケットの実力」という特集企画を組んでいます。こちらでは、その企画の取材時に撮影した写真や動画を紹介します。また、各社から出ている製品の紹介にリンク張り付け、各社の商品情報にアクセスできるようにしてあります。

3つのタイプのウエストベルト型ライフジャケット

今回取り上げたウエストベルト型ライフジャケット。バックル付きベルトで腰に巻き付けるという共通性はあるものの、実際に落水実験を行ってみると、落水後に膨らむ気室(浮き袋)の形に違いがあり、気室の形状から分けると次の三つのタイプに分類することができました。 1.落水すると気室が浮き輪の様な形で膨らむ「ウエストベルト型(変形浮き輪型気室)」 2. 円柱型の気室の両側にバックルがあり落水後は気室を両脇の下に抱え込む「ウエストベルト型(円柱型気室)」 3. 落水してから救命胴衣ユニットを膨らませ首に掛ける「ウエストポーチ型(首掛け式)」の3タイプです。

ウエストベルト型 (変形浮き輪型気室)

ライフジャケットはベルトのように体のまわりに巻き付けるタイプで上半身の自由が確保される。金属製のボンベもベルト内に巻き付けるので、かならずしも装着感が良いとは言えないが、各社、その点を補うべく、立体裁断を採用したり、メッシュ裏地を使用したりして装着感の改善が図られている。
落水すると気室が浮き輪のようにカーブを描いて膨らみ、浮き輪の中心に自分の体を収めるようにして体を安定させる。

ウエストベルト型 (円柱型気室)

陸上では最初のウエストベルト型(変形浮き輪型気室)と同じ装着感。
落水すると円柱型の気室が膨張する。気室が棒状のため、両脇の下に気室を抱え込むようにして安定姿勢に入る。動画のタイプは気室の両端にをバックルがあり、落水後にバックルを自分で留める必要のある製品だが、製品によっては、自分でバックルを留める必要がないものもある。

ウエストポーチ型 (首掛け式)

陸上ではベルトというよりウエストバッグの感覚で身につけることができる。
実験した製品は手動で気室を膨らませるタイプだが、自動膨張のタイプの製品もある。落水時に手動索を引くとバッグの中から紐で繋がれた救命胴衣ユニットが膨張して飛び出てくる。膨張後に首に掛ける動作が必要。
(注意)収納時にはバックルを留めないでたたむことが大切。

新たにライフジャケットを購入しようとしている方、掲載された動画は参考になりましたか。また、もう既にウエストベルト型ライフジャケットを持っている方。いま自分の持っている製品がどの気室を内蔵しているタイプかもう一度チェックしてみてはいかがでしょうか。 ぜひ一度、ライフジャケットの気室をカバーの中から出して展開してみることをオススメします。

その時に、気室を膨張させるとボンベを新たに購入しないといけないので、ボンベは膨張させずに展開するだけで十分です。これだけでも、自分の持っているライフジャケットがどのタイプにあたり、気室の形、呼笛や補助送気装置の位置などを確認することができます。

また、展開したついでに、膨張装置やボンベの点検も行ってはみてはどうでしょうか。「いざ!」という時に、膨張装置がうまく働かなければ、ライフジャケットの意味が全くなくなってしまいます。

ちなみに、一度外部に展開した気室を再びポーチカバーの中に折り畳んで戻すのは結構大変です。取扱説明書を手元に置いてやることをおすすめします。